ロトルクが三代目IQTインテリジェント90°回転用バルブアクチュエータをリリース
新型のIQT電動バルブアクチュエータのリリースにより,90°回転バルブのダイレクトドライブ運転に,ロトルクの三代目インテリジェントアクチュエータが持つ先進的な機能とアセットマネジメント力が加わりました。
現場の数千台のIQ3マルチターンアクチュエータが物語っているように,小型で頑強なIQTアクチュエータには,圧倒的多数の先進的なデータロギング機能や通信機能が備わっており,こうした機能は,現場でも制御室でもより多くのデータにアクセスしたいというエンドユーザー様のご要望にお応えして増やされたものです。
画面には診断グラフが表示され,バルブのトルク,使用分布図,動作ログが表示されますので,アクチュエータの場所で直接,リアルタイムで解析することが可能です。このバックライト付きディスプレイは,設定や試運転調整のメニューを多言語で表示できるためユーザー様にとって分かり易いということも含め,カバーを取り外すことなく無線通信が可能であったり,多機能表示にも対応おり,非常に注目を集めています。現場での位置情報やバルブ及びアクチュエータの状態,アセットマネジメント及び診断情報はダウンロードすることができ,現場で大型の液晶画面で閲覧することもできます。このディスプレイにはリアルタイムの状態データ,位置及び警告アイコンの情報が表示されます。また,アクチュエータの設定・動作メニュー及び詳細な診断・動作データ画面はドットマトリックス形式ではっきりと表示されます。
IQ3では、ロトルクのBluetooth®設定器Proを使用しますので、これまで以上に迅速に、アクチュエータの設定や試運転調整を行うことができます。また、設定器を使用してアクチュエータから(診断用ソフトInsight2起動中の)PCにデータを転送し、データ解析を行うことも可能です。Insight2は指示や設定が予め定義されているため、このソフトを使用することでアクチュエータの設定が更に簡素化されます。各設定は、‘mission data set’として保存され、同様の設定が必要な複数のアクチュエータに保存した設定を適用することができます。
バルブの保守の必要性を認識し予測することができますので,突然プロセスが中断したり,過度の懸念から保守を計画し中断させてしまうといったことがなくなります。アクチュエータのデータロガーにより,トルクや始動回数の分布,震動や温度傾向のログ及びイベントログ等,計画保守やトラブルシューティングのための様々なデータを取得することができます。
さらに,起動時間,平均トルク及び始動回数等,アセットマネジメントに活用できる情報も取得することが可能です。サービスまたは保守アラームは,開閉のトルクレベル,合計始動回数,震動レベル等の設定可能なメニューから選択することができます。
本アクチュエータは一生涯,正確で信頼性の高いトルク検知を行います。同様に,バルブの位置決めを正確に行うことも極めて重要です。本アクチュエータが内蔵している特許取得のアブソリュートエンコーダーには可動部が1箇所しかなく,電源が喪失してもバッテリーを必要とすることなく,バルブの位置を追跡します。さらに,設定データやデータロガーのデータは全て不揮発性のeepmメモリに保存されますので,設定は全て保持されます。電源喪失中にアクチュエータを手動で操作した場合は,バッテリーを用いることで,現場用ディスプレイや遠隔表示の内容を最新の状態に保つことができます。これにより,データロギングや電源オフ時の試運転調整が容易になるのです。
IQTの本体は防水保護等級IP68のダブルシール構造で,一時的な浸水が可能ですが,これは防爆仕様のモデルも含め,全シリーズのIQ3アクチュエータに共通の特長です。IQTは,本体のカバーを取り外して結線を行っている最中でも内部の電子部品を周囲の環境から永久に保護します。IQTのダブルシール構造では,各アクチュエータが個別にOリングで保護されていますが,この特長は40年以上,ロトルクアクチュエータでは標準的な特長となっており,これによって最も過酷な気候でも長期信頼性と耐久性を向上させることができたのです。
本アクチュエータの小型かつ頑強な本体では,現場操作用のノブ(“開/閉”選択用のノブ及び”現場/停止/遠隔”のノブ)が内部のスイッチに磁気で取り付けられており,本体を貫通しない取り付け方法を採用しています。このように本体を貫通しないため,外部環境からの保護という面で,更に高い性能を発揮しています。
また,緊急時の手動操作用ハンドホイールも標準搭載しております。
IQTアクチュエータは,単相,3相,直流電源に対応しており,出力トルクは50 ~ 2000 nm,オンオフ,インチング及びモジュレーティングに適しています。モータは電源の種類や接続状態に関係なく,常に正しい方向に起動します。さらに,出力トルクに影響を及ぼすことなく,本体カバーを取り外さずに出力速度を4:1の範囲で調節することが可能です。バルブとの嵌合面は全てISO5211またはMSS SP 101に準拠しており,着脱式のカップリングが取り付けられています。
危険区域用アクチュエータは,最新のATEX基準に完全に準拠しています。ネットワーク接続オプションとして,ロトルク独自のパックスキャン有線/無線システムだけでなく,ファンデーションフィールドバス,プロフィバス,ハート,デバイスネットといったオープンシステムもご用意しております。
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